高専のメリット・デメリットと普通高校の違い 高専はやめとけ?

その他

高専のいいところ・悪いところを書いていきたいと思います。この記事の内容は、全体の傾向を述べているので、もちろん例外もあります。

その点を考慮して読んでいただけたらと思います。私の学科は情報系の学科なので、ほかの学科とは違う場合もあるかもしれませんが参考程度に読んでいただければ嬉しいです。また、高専ごとに特色があるかもしれませんが、今回は私の通っている高専について書いていきたいと思います。

私がこの記事を書いたきっかけは、高専が一部から「高専に行くのはやめとけ」と言われているのを聞いたからです。

それが本当なのかどうか、考えていければよいなと思います。

ちなみに、私は「高専はやめとけ!」とは思わないのですが、もう一度進路選択できるとしたら普通高校に行くと思います。
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高専とは

高専は、中学校卒業生を受け入れて、5年間一貫教育で優れた専門技術者を養成する学校です。 また、高校や中学校は中等教育機関ですが、高専は大学、短大と同じ高等教育機関です。 現在、全国に57校あります。
有明工業高等専門学校 » 高専とはより引用

入学して初日に「君たちは、生徒でなく、学生と呼ばれるから、自分のことは自分で管理しなさい」と言われたのを覚えています。

高専のいいところ

校則が自由

高専では、校則が自由です。例えば、スマートフォンを学校に持ち込むことはもちろんPCやゲーム機を持ち込むことができます。そのほか、髪を染めることもでき、学校内にはいろいろな髪色をした学生がいます。

就職率がほぼ100%

高専は即戦力を買われ、昔から就職率ほぼ100%を保っています。それも、大企業に入っている人が結構います。
実はこれにはそれ相応の理由があります。それは高専卒は大学卒に比べて賃金が低い点にあります。企業側からすれば、技術力がある程度ある人材を大学卒より安く雇えるので高専生は魅力的に映ります。しかし、高専卒でも大学卒よりも活躍している人もいますし、編入試験(下に記述)に合格して大学卒として企業に入っている人もいるので、結局はその人の頑張り次第です。

以下の資料は「文部科学省の平成30年度大学等卒業者の就職状況調査」です。

特筆すべきは10月1日時点での就職内定率です。大学卒が50%後半から70%%後半なのに対して、高専卒は90%を保っています。

就職の早い段階で内定が決まるほど、高専生が人気であることが分かります。

出展:「文部科学省の平成30年度大学等卒業者の就職状況調査

長期休暇が長い

長期休暇が1.5か月ほどあります。その時間を使って、旅行へ行ったり、自分の好きなことを勉強したりできます。学校があるときは、あまり時間を取れないので、まとまった時間でしたいことをできるのは非常にいい点だと思います。

国立大学に3年次編入できる

高専は先ほども書いたように高専5年生まであります。それを終えると専攻科(高専でさらに2年学ぶところ)か主に国立大学に編入することができます。

この大学編入は編入試験に合格するとその大学の大学3年生(東京大学、京都大学は二年時)になれるというものです。
何がいいかというと、少ない教科数で比較的簡単に国立大学に入れるということです。編入試験は3教科ほどで受験することができます。比較的簡単といっても、センターと比べてなので、大変なことに変わりはありません。

高専と高校・大学との制度上の関係

出展:文部科学省「高等専門学校(高専)について

教員と学生の距離が近い

いい意味で、教員と学生の距離が近いです。教員に分からないところを聞きに行くとほとんどの先生は丁寧に教えてくれます。また、教員たちはそれそれ修士号または博士号を持っているので、興味深い話を聞くことができます。中学を卒業してすぐにそのような先生と交流できるのは贅沢といえば贅沢ですね...

特定の方面に優れた学生がいる

これはわかりやすく言うと「とがった人」がいるということです。

私の同級生でも「とがった人」はいて、プログラミングや数学・物理などにものすごく詳しい人がいます。

また、自分で事業を立てている人さえ高専には存在します。(ちなみにポケモンの生みの親は高専卒)そんな彼らに共通していることは、その分野が好きだということです。そして、学び続けています。その様子を見て、私も感化されています。いろいろな刺激を受けることができるのも高専の良さです。

おそらく、大学受験がないぶん、ほかの方面を勉強する余裕があるのだと思います。

エアコンがついている

これはあまり触れられていませんが、夏場に助かります。高校(私立と一部を除く)は、扇風機だけで夏を乗り切らなければならないことを考えるととても恵まれていると思います。

エアコンの導入が進められつつあるので、これはもしかしたら過去の話になるかもしれません。

高専の悪いところ

レポートが多い

学年が上がっていくと、実験ごとに報告書(レポート)を出さなくてはなりません。それは、一週間に三つ重なることもあったりと寝る時間もないほど多い時もあります。

対策は、効率よくレポートをさばく術を身に着けることだと思います。
具体的には、計画性をもって少しずつ進めることや友達のを参考にすることです。
*友達や先輩のレポートを丸写しすると友達と自分のレポートの点数が0点になるので注意が必要です。あくまでも、参考程度に。(どこまでがやっていいかは自己判断)

赤点が60点

高専の一番の特徴として赤点が60点だということが挙げられます。

私の高専では最終成績で赤点のが3個以上ある場合は留年です。3年生以上は必修で赤点を一つでも取ってしまった時点で留年が確定します。

さらに、中学生の定期テストのノリで高専のテストを受けると爆死します。なぜならば、難易度も高く、範囲も広いからです。

理系科目は、特に数学がものすごいスピードで進みます。数学Ⅰ Ⅱ・ABを一年生のうちに終わらせるぐらいに早いです。授業数でみても週に360分もあります。したがって、高専で数学ができるかどうかは高専生活を楽しく過ごせるかに大きく関係します。
学年が上がって専門教科に数学を使うので数学だけはちゃんとやっほうがいいと思います。

赤点が60点といいましたが、ほとんどの場合、再試験をやってもらえるのでそこで60点以上とれば問題ありません。
個人的な意見として、赤点をとることは恥だと思っていたほうがいいと思います。

進路変更が難しい

中学を卒業して、工業のことを学んでいるので、途中で工学と違うことをやりたい場合は大変です。(理学系への進路変更は比較的安易)

例えば、高専三年時に文学に魅了され、文学部に入りたいと思った場合、三年時で高専をやめて、センターを受けるという選択肢しか(多分)ありません。高専生は、文系の授業が少ないため文系科目の知識が他高校生に比べて明らかにありません。したがって、高専をやめて、独学で勉強してそれなりの大学に入るのはかなりの努力が必要になります。

私も工学がそれほど好きではないので、専門教科の授業はあまり面白いと感じることが出来ません。入学する時に、良く考えればよかったなと最近は思っています。
ある人には天国、ある人には地獄となるのが高専だと思います。

環境に流されやすい

高専は自由な校風なので、強い意志を持っていないと周りに流されて、赤点だらけということになりかねません。高専に入るぐらいですから、ほとんどの人は中学生のころ塾に通ってます。

塾では勉強を長時間やらされるかもしれませんが、高専に入ったら誰も「勉強しなさい」とは言ってくれません。自分で自主的にやるしかありません。それができない人は落ちていく一方で、最悪は留年します。

教養がない

どうしてもカリキュラムの都合で人文科学系の科目の授業時間が少なくなります。したがって、文系教科はあまりできません。

例えば、教育機関ごとのTOEICの点数を比べてみると、高専生のスコアは相対的に低くなっています。
ちなみに高専生の平均TOEICスコアは352点になっています。
私は社会をみるうえで文系の知識は必要だと思うので個人的にはかなりの欠点だと思います。


また、数学などにおいても、工学に関係する分野を重点的に学ぶ(高専で使用する教科書の内容が偏っている)ので、高校数学の[整数]の分野などは割愛されています。
代わりに、微分積分学・線形代数学・応用数学などの分野を多く勉強します。

先生の授業が下手

やはり、高専の先生は研究者なのでお世辞にも教え方が上手だとは言えません。もちろん教え方が上手な先生もいますが、高校の先生と比べると下手かもしれません。

露骨に「授業するのが嫌い」というのを感じさせる先生もいるので、自分で受けるべき授業を選択して、そのほかは自習するのがいいと思います。

それは、仕方のないとこだと思うので、自分で予習・復習をすることが大切だと思います。

高専に好意的な記事と否定的な記事

私の考えだけを共有するだけではどうしても偏った書き方になってしまうので、高専に好意的な記事と否定的な記事を紹介します。

肯定的な記事

否定的な記事

まとめ

良い点と悪い点を書いてきましたが、高専は学生の過ごし方次第で自分を高めることもできる場所になったり学生を堕落させるさせる場所になったりするのかなと思いました。
この記事を読んで、中学生の方は高専を進学先の候補に入れるべきなのか検討してみてください。また、現役高専生、OB、OGの方は共感したり、「自分の高専とは違うな」などと思っていただければと思います。
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